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村上三千穂の紹介

村上三千穂の紹介 ・ギャラリー ・新聞掲載記事

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■村上三千穂

・明治32年福岡県直方市の旧家に生まれる。
・嘉穂中学を卒業後、京都の日本画の重鎮菊池契月先生の門下生となり
 日本画を勉強する。
・東京に居を移してから[少女の友」の口絵や婦人襍誌の表紙絵なども
 描く。
・昭和13年6月24日永眠する


■みちほの想い出の発刊にあたり

村上三千穂氏の娘、村上凉子さんのご協力をいただき、「少女の友」や「少女倶楽部」で活躍されていた三千穂氏の作品集が完成しました。
幻の画家とも言われ中原淳一氏とも面識がありました。
数ある作品の中から今回は40ページにまとめてみました。



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■みちほの想い出 ギャラリー (画像をクリックすると拡大表示されます)

小倉百人一首
美術たとう「少女の友」
旅愁「少女の友」
初詣「少女の友」
四季ごよみ「少女の友」附録
模範國史繪年表「少女倶楽部」
鏡「少女倶楽部」
戦地のたより「少女倶楽部」
想いでの少女たち
東京回想・・凉子
裏表紙


■新聞掲載(1)ベール脱いだ幻の画家 少女雑誌に現れたみやび

「問屋町の娘」
1934年「少女の友」2月号・巻頭口絵

 冒頭の絵「問屋町の娘」は1934年(昭和9)年2月、雑誌「少女の友」(実業之日本社)の巻頭口絵を飾った作品。 三千穂は31年から38年にかけ、人気画家のみが担当した巻頭口絵と付録を多数手掛けた。 彦根屏風をアレンジした書籍入れ、四季の装束をまとった少女絵のカレンダーなどは細部まで手の込んだ作りで、デザインも面白い。 34年には「挿絵絵画の最高の名誉」(村崎さん)という新年号付録を製作。その「小倉百人一首かるた」は後に続く付録かるたの見本となったという。

 時代は以前、大正デモクラシーの余韻のなか、洋装にパーマネントのモダンガールが街を闊歩し、家庭にはラジオが急速に普及。 大新聞の発行は百万部を突破し、雑誌界では創刊・増刊がピークを迎えていた。 競って出版された少女雑誌は、洗練された都市文化を伝えた「少女の友」と質実剛健な素朴さを売りにした「少女倶楽部」(講談社)とが対抗する形で互いに質を高めていた。

 両紙ともに執筆陣には吉屋信子や川端康成ら一流作家が登場し、挿絵画家たちが美しい少女画を添えた。 大正期に挿絵画家の草分けとなった竹久夢二に憧れた蕗谷虹児や中原淳一など第二世代が活躍し、近代的なファッションに身を包んだ少女を描いて熱狂的なファンを獲得していた。

 新進の挿絵画家たちがモダンな少女像で注目を集めるなか、三千穂は昔ながらの楚々とした少女を多く描いている。 「問屋町の娘」のほか、矢羽絣と黄八丈の着物に身を包んだ姉妹の姿を描いた「羽子板を売る店」(1936年、「少女倶楽部」12月号)など、当時としても懐古趣味的だったろう作品が多い。

西日本新聞2007年9月5日(水)平原奈央子


■新聞掲載(2)好きな絵描いてゐれば 京都の風受け日本画家に

「湯の宿」
1928年菊池塾作画展覧会画集
第四輯より(京都市美術館蔵)

京都の南座に残る村上三千穂の作品。演目や口上などが細やかに書き込まれ、思い思いに観劇を楽しむ観客の表情も豊かだ

三千穂は京都・紫野の大徳寺にあずけられ、画壇の重鎮、菊池契月宅に通って写生や筆遣いを学んだ。 芝居好きで、四条川原に立つ劇場・南座の歌舞伎は(きっと熱心に見物した)とある。

菊池の画塾には宇田荻邨や梶原緋佐子らの大家が多く学び、毎年「塾展」を開いて腕を競っていた。

1924年、南座の顔見せを描いた二曲一双の大作「芝居」で帝展に入選しており、本格的な画家生活の起点にもなった縁深い場所。

ロビーに掛かる1.7メートル四方の絵。27年12月の顔見せ興行を忠実に再現した作品で、満員の劇場内と、役者の名を描いた招きや絵看板を掲げた劇場の外観が上下二層に配置された面白い構図。

西日本新聞2007年9月6日(木)平原奈央子


■新聞掲載(3)心は筆に乗り移り紙へ 人気と夢のはざま・・・40年の生涯

桐箱に収められた村上三千穂作の小倉百人一首かるた 1933年(早稲田大学曾津八一記念博物館蔵)

三千穂の絶筆 1938年(村上涼子さん蔵)

1938年6月、三千穂は40年の生涯を閉じた。 時代は戦時色を強め、翌年第二次世界大戦が勃発。

画家たちは戦意高揚の波に飲み込まれ、少女雑誌も統制の支配下に置かれていく。 戦前に爛熟した自由な文化のなかで、三千穂は少女たちに雅やかな京の美を伝え、一方、独自の日本画の世界を模索した。

短い生涯に編んだ作品は、その後70年に渡り、雑誌史の幻となって光を放ち続けた。

西日本新聞2007年9月7日(金)平原奈央子



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